第36回神奈川県理学療法士学会 学会長
社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス 海老名総合病院
理学療法士 湯田 健二
「連携」...
現在の社会情勢や、地域医療構想、地域包括ケアシステムを推進していく上で必要とされるキーワードのひとつであり、よく耳にする言葉です。本質を捉えることなくその言葉を発するだけでも、それとなく成り立ってしまう場面が増えてきてはいないでしょうか。言葉にすることは簡単ですが、実現させることは容易なことではありません。
なぜ容易なことではないのか...
連携を実現させるための第一の必須項目は“相手を知る事”に尽きると思います。それがなくては実現されないキーワード。相手を知るための第一歩を踏み出すことを実践せずに真の連携の実現は難しいと思います。
私が属している神奈川県県央ブロックでは、以前は患者さんや利用者さんの申し送りがあっても、サマリーのやり取りをするだけでお互いの事(顔)を全く知らない関係でした。そこには真の連携がなかったのではないかと考えます。現状を打開するために、今から12年前、ブロック内の病院に足を運ばせて頂き「顔の見える関係つくり」を提案いたしました。まずは顔を合わせる機会をつくろうと検討を進め、その後学術的な活動などを精力的に行いながら12年間その想いを貫き通した結果、今では顔の見える関係が構築され、真の連携が図れてきております。
今回の第36回神奈川県理学療法士学会は、我々県央ブロックが担当させて頂きます。テーマは「みんなで築こう顔のみえる関係づくり」です。前述した社会情勢や、地域医療構想、地域包括ケアシステムを推進していく上で必要とされる「連携」を重視し、更に質の高い医療・介護を継続的に提供していくために今必要とされていることは「顔のみえる関係づくり」と考え、このようなテーマといたしました。企画内容も今までの学会とは趣向を変えたものも提案させて頂きます。本学会に参加して共に顔の見える関係を作りませんか。そこからあらたな世界が見えてくるはずです。学会当日皆さんとお会いできることを楽しみにしております。